第3話|何をしても食欲が戻らない

シニア猫との暮らし

2026年2月9日(月)

今日も薬を飲ませないといけない。

もうおやつ作戦は使えない。

なぜなら、おやつさえあまり食べなくなってしまったからだ。


数日前までは薬を混ぜれば食べてくれた。

でも今は、そのおやつすら食べない。

食欲にもムラがあり、以前のようには食べてくれなくなった。


心配だ。

本当に腫瘍なのかもしれない。

そんな考えが頭をよぎる。


2026年2月10日(火)

いつもより1時間早く仕事から帰宅した。

リリを病院へ連れて行く。


先生:「あれからどうです?」

ママ:「点滴のあと、すごく食べてくれました。」

先生:「良かったですね。この子には点滴が合っているんでしょうね。」


私は少し期待した。

もしかしたら点滴が効いているのかもしれない。

もしかしたら良くなるのかもしれない。


ママ:「今日も点滴お願いします。」

先生:「じゃあ今日は何が効いているのか確認する意味も含めて、ステロイドは入れずに点滴だけにしましょう。」

ママ:「はい。」

だって、まだ腫瘍と決まったわけじゃないのだから。


先生:「一応エコーもしておきましょう。」


エコー検査の画面を一緒に見る。

そこには先日見つかった黒い影が映っていた。


消えていてほしかった。

炎症であってほしかった。


でも違った。

先日よりもはっきり見えている。


素人の私でも分かった。

これはただの炎症じゃない。


帰宅後。

ご飯を出してみる。


食べない。


点滴をしたのに食べない。


2日前はあんなに食べていたのに。

どうして。


やっぱりリリの体にあるものは「腫瘍」なのかもしれない。

そんな考えがどんどん大きくなっていった。


2026年2月11日(水)

今日も薬を飲ませる。


パパがリリを抱える。

ママが口を開ける。

そして薬を入れる。


すごい抵抗。

本当に嫌そう。


でも何とか成功した。


可哀想だと思う。

本当に思う。


でも飲ませなきゃ。


ご飯の前には来る。

食べようともする。

でも食べられない。


食べたい。

でも体が受け付けない。


そんな感じがひしひしと伝わってくる。

見ているだけで苦しかった。


2026年2月12日(木)

食欲が戻らない。


やっぱりステロイドが効いていたんだろうか。


そう思い、仕事を早めに切り上げて病院へ向かった。


先生にステロイド入りの点滴をお願いする。

帰り際、先生が病療食の缶詰を持たせてくれた。


「匂いが強いので、普段食べない子でも食べてくれることがありますよ。」


少し期待した。


帰宅してすぐに缶詰を開ける。

匂いも強い。

これなら食べるかもしれない。


でも。


食べない。


一口も食べない。


私は缶詰を見つめながら考えていた。

何なら食べるんだろう。

どうしたら食べてくれるんだろう。


この頃から私の頭の中は、ほとんどそれだけになっていた。

(第4話へ続く)

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