2026年2月6日(金)
病院に行ったせいか、少し食欲が戻った。
昨日まで胸に影だの腫瘍だのと言われていたのに、ご飯を食べているリリを見ると少し安心する。
でもここで大問題が発生した。
果たしてこの子は薬を飲むのか。
リリは昔から賢い。
そして、自分が嫌なことには全力で抵抗する。
そんなリリが薬を素直に飲むとは思えなかった。
すると我が家のリリマイスターであるパパが動いた。
大好きなお菓子に薬を混ぜる。
さてどうだ。
おおーーー!
食べた!!
なーんだ。
心配していたけど、これなら大丈夫じゃないか。
私は少しホッとした。

2026年2月7日(土)
さて、今日も問題なく薬を飲ませられるだろうか。
昨日と同じように、パパがお菓子に薬を混ぜる。
すると・・・
薬だけ避けて食べてるーーー!!
なんで分かるの!?
昨日は食べたじゃない!
とツッコミたくなるくらい見事だった。
お菓子だけ食べて薬だけ残す。
なんという技術。
どうしよう。
薬を割る。
混ぜる。
また混ぜる。
さらに混ぜる。
そしてようやく食べた。
やっぱり薬を飲ませるのは難しい。
18年以上一緒に暮らしてきたけれど、この頑固さは変わらない。
2026年2月8日(日)
東京で今年初めて積もるくらいの雪が降った。
窓の外は真っ白だった。
私はリリを抱えながら話しかける。
「リリちゃーん、雪だよー。綺麗だね。」
そう言いながら病院へ向かった。
今通っている病院は徒歩3分。
リリにとっては、長時間車に乗らなくていいのが救いだった。
キャリーケースの中のリリは、外をじっと眺めていた。
昔みたいに大騒ぎすることもなく、静かだった。
病院に着く。
先生が聞く。
「その後どうですか?」
私は答える。
「ご飯は食べるようになったんですけど、薬が難しくて。」
先生は少し安心したように言った。
「ご飯は食べるようになったんですね。良かったです。」
でも脱水気味らしい。
点滴とステロイドの注射をしてもらうことになった。
病院にいるリリは妙に大人しい。
家ではあんなに頑固なのに。
診察台の上でじっとしている。
そんな姿を見ながら、
かわいいなあ😍
と思ってしまう。
診察の後、先生から改めて説明を受けた。
「今の状況だと、先日の検査結果から見て腫瘍の可能性が高いです。」
「リンパ腫でなければいいんですけどね。」
私は何も言えなかった。
怖かった。
何か聞いてしまったら、その答えを聞かなければいけなくなるから。
先生は続けた。
「詳しく調べる方法もあります。」
全身麻酔で検査する方法。
麻酔を使わずに病理検査をする方法。
私は即答だった。
「全身麻酔は無理です。」
18歳10ヶ月のリリに、そのリスクは負わせたくなかった。
そしてもう一つの方法。
「麻酔をかけずに腫瘍に針を刺して・・・」
ええーーーー!!!
無理無理無理💦💦
そんな痛そうなことできない。
私は先生に言った。
「無理ですね。」
「そんな痛そうなことできません。」
すると先生も静かに言った。
「検査したところで悪性だと分かっても、完治できる可能性は低いです。」
「抗がん剤も副作用が出ないとは限りません。」
「もう少し様子を見て、薬の反応を見ましょう。」
私は即答した。
「そうしてください!」
帰り道。
なんだか少しホッとしていた。
検査をしないことにしたからではない。
リリに痛い思いをさせなくて済んだから。
そして家に帰る。
ご飯を出す。
すると・・・
バクバク食べる。
うっ・・・
嬉しい😂😂。
本当に嬉しい😂😂😂😂😂。
この日はそれだけで十分だった。
(第3話へ続く)


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